子ども時代は 子どものように

遊びをせんとや 生まれけむ

たわむれせんとや 生まれけむ

遊ぶ子どもの 声きけば

わが身さえこそ 揺るがれる

これは鎌倉時代初期の今様(流行歌)です。この歌のように平安朝時代から、現代もつい40年前くらいまでは、子どもは遊びながら育つもの、いろいろな人から育てられるもの、隣近所のおじいちゃん、おばあちゃん、お兄ちゃんお姉ちゃん、同い年の仲間しかり。寸暇を惜しんでは群れ遊びほうける中で、元気な体、豊かな人間との交わり、感性、社会的ルール、自主性等々実に多くの人が人としてある大切なことを学んできました。

 

しかし、ここ数年の世相はどうでしょうか?実にめまぐるしく変化していると同時に価値観の多様化とでもいいましょうか、大不況といわれる今でも、便利、簡単、楽、楽しければ、お金さえ出せばと目先の利益だけで動く傾向にあります。そして、子育てといえば、私たちの少し前の世代の親たちは「子どもは手塩にかけて育てよ」といわれていました。今では、オシメは紙、食事は手軽、遊びはテレビにゲーム、夜遅くまでの塾通い、お稽古事等。お金で便利、楽、簡単の手抜き子育て。その結果、親が子を、子が親を、子どもが子どもを殺すというニュースに事欠かなくなった昨今です。

 

こういう事がなぜ起きるか、どうして起きてしまうか、私たち大人は今こそ真剣に考えて行かなければならないと思っています。と同時にあんず保育園は世の中がどんなに変わっても、子育ては変えない、変わらない、人類が長い長い時間をかけて進化発達を遂げてきた当たり前の保育を大切にしています。それは、

 

①豊かな自然環境を保障し、

②多くの実体験を通し五感(触覚・視覚・聴覚・臭覚・味覚)を使って遊ぶ,

③質素でも手作りの豊かな食事に裏付けられた「健康な体」「感性」。

 

いわゆる人として生きていく上での土台の力を養う。その上に立っての知育教育(保育)です。そして、親たちの働く環境が大きく変わっている中で、安心して子育てが出来る体制(産休明け保育・長時間保育・障害児保育)を保障していきます。

あんず認定子ども園 園長
椛山(かばやま)小夜子